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zoom RSS 女王の系譜 外伝 玉門谷の戦い 5

<<   作成日時 : 2011/08/28 22:48   >>

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「善徳女王」の二次創作です。

外伝は、女王の系譜 第一章以降のお話になっていますので、第一章が未読の方は読んでからをお勧めします。

内容はトンマンが女王に即位してからの話で、 BS TV とは180度違って、トンマンはピダムと私婚します。

ピダムは司量部令だけでなく騎兵隊の長も任されています。
うふふ……思いっきり趣味に走って楽しんでます。

おまけにオリジナルキャラも満載〜。

こんな捏造満載な内容はイヤという方は読まないでくださいね。
善徳女王をご存知でない方も、さくっとスルーしてください。→→出口                                              
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女王の系譜


外伝 玉門谷の戦い(5)


「おい、待て」
森の中を走っていたピダムが、不意に声をあげた。
「待て……動くんじゃない」
ピダムは手をあげて騎兵とイムジョンたちの動きを制止した。
「どうした?」
イムジョンがピダムに駆け寄る。
「しっ、静かに……この先に何かいるみたいだ」
「え?」
イムジョンは新緑の木々の先を見透かそうと目を細めた。
「イムジョンはここを守れ」
ピダムは負傷兵を降ろし兵士達を地面に伏せさせると、足音も立てずに木々の間を移動していく。すぐにその姿は見えなくなった。
「負傷兵を囲んで円陣になれ」
イムジョンは辺りを警戒しながら、負傷兵を担いでいる部下達に命じた。

ピダムは背をかがめると物陰から様子を窺った。
(百済兵だ……多いな)
山間のやや開けた場所に、百済兵が集まっている。階級章をつけた武人もいて、話し込んでいる様子だ。
(あいつら……作戦会議でもしてるのか?)
ピダムの眉間に皺が寄った。
(敵地では死にたくねぇだうからな。必死で突破しようと知恵を絞っているわけだ)
ますます眉根に皺をよせながらピダムの唇の端が持ち上がった。
(チッ、逃げるより戦うほうが楽なんだが……)
だが、負傷したイムジョンと朗徒達を独山城に連れ帰ることが今回の任務だ。
(ちぇっ、命拾いしたな、おまえら)
百済兵を睨みつけてから、ピダムは密やかにイムジョン達の元に戻っていく。

〇〇〇

ピダムたちは百済兵を迂回するため先兵をたてて負傷兵を運んだ。
「ふぅ、あともう少しか……」
休憩のため沢におりたピダムは地図を見ながら息を吐いた。
救出作戦は、思ったよりも時間がかかっていた。しかも入り組んだ地形のせいか、百済兵も迷い込んでおり、どこで顔をつきあわせてもおかしくない状況になっている。
「ピダム隊長」
「シヨルか。百済兵はどうだ?」
「はい。今のところは回避できているようです」
「そうか。皆も疲れているだろう」
「……しかたがありません」
夜通し走った兵士達は疲労した様子で携帯した食料と水をそれぞれ口に運んでいる。

ピダムは立ち上がると、剣を抱いたまま眠り込んでいるイムジョンのそばに寄った。
「おい、イムジョン、起きろ」
肩をつかんで呼んでもイムジョンは目を覚まさない。それどころか、ぐらりと体が傾いで横たわってしまった。
「イムジョン?」
片時も休む間もなく負傷した兵士達を運び、百済軍から逃げていたとイムジョンの朗徒が言っていたのを思い出した。
「……精魂尽きたか?」
顔色の悪さや、目の下の隈からも、疲労困憊だったのがわかる。ピダムは悪戯半分にイムジョンの額や頬に小石や葉っぱを置いてみた。
「……大物だぜ、こいつ」
顔中を小石や葉っぱだらけにされても眠っているイムジョンに、呆れた声でつぶやくとピダムは細い木の枝でイムジョンの鼻先をくすぐろうとして、シヨルに止められた。
「……ピダム隊長、大きなくしゃみをされたら、私たちの居場所がバレます」
「ちぇー、鼻をこちょこちょしてやろうと思ったのに」
「ピダム隊長」
上官を嗜めるシヨルの低い声に、様子を窺っていた騎兵達は笑いを堪えた。

「ちくしょー、こいつ重いぜ」
ピダムはイムジョンを荷物のように肩に担ぎながら悪態をついた。
森の中をピダム達はイムジョンや負傷した兵士達を担ぎながら移動していた。
「あー、もう、この辺に捨てたい……」
「ピダム隊長」
負傷した兵士を背負っているシヨルとペクがピダムに非難の視線を浴びせた。
「わかったよ。運べばいいんだろ、運べば」
「早く。こちらです」
腕に布を巻きつけた兵士がピダムを先導する。

「ピダム隊長って、あんなお人なのか」
ペクに肩を担がれて歩いている負傷兵のコウが呆れた口調で告げた。
「ああ、腕っ節は強いけど、子供がそのまま大きくなったみたいな人だな」
膝上を負傷したコウを支えながらペクは応えた。
「イムジョン様が尊敬していたから、もっと立派な方だと思っていたけど……」
「ぷ……おまえ、そのことはピダム隊長に言うなよ」
「え?ああ、言うつもりはねぇけど、ちょっと意外だったな」
「うーん。そうかぁ?剣の腕がたっても、人間的に立派ってわけじゃねぇだろ?」
「それはそうだが……」
ペクに身も蓋もないことを言われながら、ピダムたちは負傷兵を守りながら森の中を走った。


つづく

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拙い文章を読んでいただきまして、ありがとうございました。

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