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zoom RSS 女王の系譜 外伝 玉門谷の戦い 6

<<   作成日時 : 2011/09/03 20:22   >>

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「善徳女王」の二次創作です。

外伝は、女王の系譜 第一章以降のお話になっていますので、第一章が未読の方は読んでからをお勧めします。

内容はトンマンが女王に即位してからの話で、 BS TV とは180度違って、トンマンはピダムと私婚します。

ピダムは司量部令だけでなく騎兵隊の長も任されています。
うふふ……思いっきり趣味に走って楽しんでます。

おまけにオリジナルキャラも満載〜。

こんな捏造満載な内容はイヤという方は読まないでくださいね。
善徳女王をご存知でない方も、さくっとスルーしてください。→→出口                                              
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女王の系譜


外伝 玉門谷の戦い(6)


わずかな風の変化にピダムは反応した。
「待て、動くな」
低い声で騎兵達の動きを止めると、手振りで伏せるように合図をだした。
「伏せろ」
緊張した雰囲気を漂わせているピダムに、騎兵達の表情も厳しくなった。木々に囲まれ見通しの悪い森である、騎兵達はピダムを注視した。
「…………」
無言でピダムの腕があがる。
騎兵たちも無言で、負傷兵たちを引きずりながら円陣を組んだ。
肩に担いでいたイムジョンを、そっと地面に降ろすと、ピダムはペクの肩を叩き、シヨルについてこいと合図をだした。
「……あ」
ペクが後を追おうとして、ピダムに止められた。
「おまえはここで、あいつらを守れ」
「はい、隊長」
小さな声で命じたピダムにペクは何度もうなづいた。
「隊長」
剣を手にしたシヨルと数人の騎兵がピダムの側に駆け寄る。
「ついてこい」
すばやくピダムは命じると、負傷兵たちがいる場所から離れた。

〇〇〇

気配を殺しながら木々の間を走りぬけた先に百済兵の姿があった。
(多いな……それにこの近さだ。回避できない)
「できるだけイムジョン達から引き離すぞ」
「はい」
小声で告げたピダムにシヨル達は剣を握りしめた。

足音を忍ばせて百済兵に近づいたシヨル達は、背後から弓矢を射掛けた。
「ぎゃぁッ……」
矢に射抜かれた兵士が地面に崩れ落ちる。
「ぅわー、敵だ、敵だッ!」
驚いた百済兵が抜刀しながら、シヨル達に反撃してくる。
「わー」
剣で応戦しながらシヨル達は、イムジョン達が潜む方角とは反対の方向へと敵を追い込みはじめた。

足場の悪い木々の間を駆け抜けながら、滑らかな動きでピダムは敵兵を屠っていく。
「くそっ!」
複数の百済兵とやりあったピダムは、逃げるように視界の開けた場所へと移動した。
「そっちだ、追え!」
怒号とともに百済兵がピダムの後を追い、広場のような平地にピダムを取り囲んだ。
「もう逃げ場がないぞ」
ピダムを取り囲んだ百済兵がピダムに告げた。
「ああ、そうみたいだな」
「ここがきさまの死に場所だ」
百済兵の後ろからでてきた屈強な指揮官がピダムに冷笑を浴びせた。
「……さぁ、どうかな?」
ピダムは唇の端を持ち上げながら、長剣の柄に幅広の黒紐を巻くと固く結び、さらに黒紐の端を手に結んだ。
「こい!」
ピダムの声で闘いがはじまった。

百済兵に囲まれた長身の男の剣技を眺めていた百済の指揮官は蒼白になった。
目の前で、黒紐で操られている長剣が自在に宙を舞い、自軍の兵士の首や鎧の隙間に吸い込まれていく。
「な……なんて奴だ」
遠心力でまわした剣を空中に放りだし、狙いをつけて足で蹴り込んだかと思うと、巧みに紐を使い、方向を変えて兵士の首を狙った。
「退却だ。退却しろ!」
指揮官は叫ぶと、退路を探すべく辺りを見渡した。
「逃すか」
ピダムは長剣の柄を握ると敵兵と距離をつめ、一気に斬り込んでいく。
浮き足立った敵兵の悲鳴があがり、ピダムの頬に返り血が飛んだ。
「形勢逆転ってやつだな」
指揮官の前に立ったピダムの片頬に壮絶な笑みが浮かんだ。
「もう、おまえの盾になる部下はいないぞ。どうする?」
今後のためにも、生きて返すわけにはいかない。冷たい双眸が指揮官を射抜いた。
「くっ……きさま」
気力を奮いおこして指揮官は刀を構えた。

〇〇〇

黒い騎兵の戦闘服を返り血で染めたピダムがシヨルの側に寄った。
「シヨル。状況はどうなっている?」
血の匂いを漂わせたピダムがシヨルに尋ねた。
「はい。もう他に指揮官はいないようです。百済兵は逃げて行きました」
ピダムの鬼神のような戦いぶりに逃げ出した兵も多い。百済兵との死闘で気力を使い果たしていたシヨルだが、ピダムの双眸に背筋をのばした。
「そうか、指揮官がいないなら、残兵だけで反撃はできないだろう」
「はい」
冷静なピダムの目をまっすぐに見つめ返したシヨルがうなづく。
ふたりのまわりに騎兵隊の隊員たちも集まってくる。
「みんないるか?負傷した者はいないか?」
周りの部下を見つめてピダムは問いかけた。
「はい、全員います」
血まみれで負傷している者もいるが、剣を片手に立っている。
「そうか。よくやった。イムジョン達を連れて城に帰るぞ」
「おう!」
戦いに勝った兵士達は、力強く声をあげた。

「……よく頑張ったな。シヨル」
ピダムは息を吐くとシヨルに声をかけた。
「はい。ピダム隊長……」
「シヨル」
シヨルの声が震えていることに気がついたピダムがシヨルの顔を覗き込んだ。
「こんなの序の口だぞ?」
呆れた口調で告げながら、ピダムはシヨルの肩を軽く叩いた。
「……はい」
緊張の連続の中で、シヨルは生き残ったことを実感した。


つづく

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拙い文章を読んでいただきまして、ありがとうございました。

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