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zoom RSS 女王の系譜 外伝 玉門谷の戦い 7

<<   作成日時 : 2014/02/18 23:13  

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「善徳女王」の二次創作です。

外伝は、女王の系譜 第一章以降のお話になっていますので、第一章が未読の方は読んでからをお勧めします。

内容はトンマンが女王に即位してからの話で、 BS TV とは180度違って、トンマンはピダムと私婚します。

ピダムは司量部令だけでなく騎兵隊の長も任されています。
うふふ……思いっきり趣味に走って楽しんでます。

おまけにオリジナルキャラも満載〜。

こんな捏造満載な内容はイヤという方は読まないでくださいね。
善徳女王をご存知でない方も、さくっとスルーしてください。                                           
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女王の系譜


外伝 玉門谷の戦い(7)


イムジョン達を連れて本陣に帰還したピダムの騎兵隊は、休む間もなく百済軍の追撃に向かった。ピダムがイムジョン達を救出している間も、パグィとトクチュンは山に逃げ込んだ敵兵を追い、国境付近では死闘が繰り広げられていた。

「敵をどこまで追い詰めた」
総指揮官のアルチョンは伝令達の報告から、敵の居場所を割り出そうと地図に目をやった。
「はっ、ソナン将軍の隊はこのあたりかと……」
百済軍の総指揮官であるソナン将軍の隊を現した駒を地図の一点に置く。
「そうか……」
敵を殲滅せよとの陛下の命令に従いアルチョンは考えはじめた。
「国境付近の警備を厳重にするように伝えろ、それとこの辺りの地形に詳しい者は?」
「はっ、すぐに調べさせます」
側にいた兵士たちが慌ただしく部屋からでていく。
「こちらから挟み撃ちにするか……それとも」
配置された自軍の駒を手に取り、考えを巡らせながらつぶやいた。

「ソナン将軍は生きて帰せ」
何の前触れもなくピダムが現れてアルチョンに向かって告げた。
「なんだと?ソナン総軍は百済軍の総指揮官だぞ」
ピダムの言葉にアルチョンは目を剥いた。
「そうだな。生け捕りにしたところで自害するのが関の山だろう」
ピダムは顎に手をやるとアルチョンを見た。
「ああ、勇猛で知られるソナン将軍が、我らに捕まるものか」
敵軍に捕まるなら、死を選ぶだろうとアルチョンも思っている。
「そうだ。だから将軍だけ、百済へ帰せ」
「……ピダム、まさか」
将軍だけ、という言葉にアルチョンは目を鋭くした。

「敗軍の将が単身でのこのこ百済へ帰ったら、王はどう思うんだろうな」
「百済王の出方を見るわけか」
「ああ、百済王が、ソナン将軍をどう処するか見たいんだ」
「忠義の将軍として知られるソナン将軍への王の信任は篤い思うが……」
ふたりきりになった部屋でアルチョンがピダムを見つめた。

「百済へ密偵を送っているだろ?」
少し声を潜めてピダムは告げた。
「……まさか」
「ああ、ソナン将軍の屋敷に怪しい人間が出入りしているって噂がたったら?」
「陥れるのか」
アルチョンとピダムは女王から極秘の命を受け、百済と高句麗の動きを偵察する組織を作っている。その極秘組織を、ピダムが動かすと言うのだ。
「疑心暗鬼が芽生えたら、ちっとやそっとじゃ拭えねぇ」
王を巡る貴族達は一枚岩のように団結した存在ではない。
「それは、陛下の命令なのか?」
アルチョンはそのような命令を聞いていない。ピダムは懐から書面をだし、アルチョンに見せた。


「うまくことが運ばなかったら、俺がカタをつける」
「え?」
内容を読んだアルチョンが目をあげた。
「ちょっと百済へいって……」
ピダムはアルチョンの手から女王からの機密文をすばやく奪うと、卓の上に置かれた蝋燭で書面に火をつけた。

「ピダム」
渋面を作ってアルチョンは書面を燃やしたピダムを呼んだ。
「うまくいかなかったら、ソナン将軍を暗殺するのか」
「いけないのか?」
こともなげに言うピダムにアルチョンはため息をついた。

「ソナン将軍を生かして帰すからには、しばらく泳がせておくほうが賢明だ」
「ソナン将軍もバカじゃねぇ、こっちの存在に気がついたら、反撃してくるぞ?」
「先に仕掛けて、しばらく放っておいてもいい」
「……そうか、そうだな」
腕を組んだピダムがつぶやくと、アルチョンは口元に笑みを浮かべた。
「ああ、おまえが欲しいのは時間だろう?」

ソナン将軍を帰したとしても百済軍に新羅軍の武力は充分見せつけることになったはずだ。ソナン将軍への謀がうまくいかなくても、百済軍はとうぶん新羅を略奪にくることはないだろう。
(次の戦まで、しばらくの猶予はあるだろう)
そう思いながらアルチョンはピダムを見つめた。
「……アルチョン、すまない」
ピダムはそっぽを向きながら詫びた。
「なんのことだ。戦の総指揮官はこの自分だ」
アルチョンはそう告げると傍らに立つ長身の男を鋭い視線でみた。

「無名之徒のピダム。ソナン将軍の追撃を命じる」
「はっ」
神妙そうな表情でピダムは命を受けると部屋をでていった。


〇〇〇


ピダムの騎馬隊がソナン将軍を追ったが、ソナン将軍を逃したという報がアルチョンの元にはいるのは早かった。
「そうか……致し方がない」
花朗達の前で残念そうに告げると、アルチョンは皆から背を向けた。
(……陛下、ピダムは任を成功させたようです)
わずかに顔を上へあげるとアルチョンは皆に向き直った。
「ソナン将軍は逃したが、新羅に敵はいなくなった。我々が百済を追い払ったのだ」
アルチョンは声を張って花朗達に告げた。


新羅軍に勝鬨があがった。


〇〇〇


戦が終わったピダム達は、それぞれの持ち馬を川で洗っていた。
そこに鎧姿のアルチョンが現れた。
「ご苦労だったな」
「え?なんだ。アルチョン将軍じゃないか」
飛天を洗いながらピダムはアルチョンをみあげた。
「ほう、いい馬だな」
力強い体躯をした見事な馬だ。

「飛天って、いうんだ」
「飛天……いい名前だな」
アルチョンは飛天の背中を軽く叩いた。
「空を飛ぶみたいに足が速いからな」
自慢するみたいにピダムは言い、飛天の鬣をなでた。
「ふむ、飛天なら、飛天之徒の私のほうが乗り手にはふさわしいと思わないか」
アルチョンは飛天を撫でながらピダムに告げた。
「えっ?……いきなりそんなこと言われても……」
驚いた顔でピダムはアルチョンに向き直った。
騎兵部隊にとって馬は自分の相棒であり、とても大切な存在だった。
シヨル達も驚いてピダムとアルチョンを見ている。
「いい馬だ……」
アルチョンは飛天から視線を外すことなく背中を撫でている。
「アルチョン公は将軍なんだから、もっといい馬を探せばいいだろ」
憮然とした表情で、ピダムはアルチョンを見つめた。だが後日、見事な鞍をつけた飛天が、ピダム自身の手でアルチョンの屋敷に届けられた。

「上将軍となったアルチョン公への祝いの品だ」
「ピダム……」
百済軍を壊滅させた独山城の戦の指揮官だったアルチョンは上将軍に任命されていた。初陣のピダムも武将や指揮官の首級をあげた功績により領地を賜った。
武将達はそれぞれに褒美を与えられ、ソラボルは戦勝の悦びに沸いたのである。


「少しクセはあるが、飛天はいい馬だ。大事にしてくれな」
渋茶色の衣装に身を包んだ男は、飛天の手綱をアルチョンに手渡すと飛天の首を軽く叩いた。
「飛天、こいつが嫌なら振り落として、俺のところに戻ってこいよ」
「な、なにを言っているんだ」
アルチョンは手綱を強く握り締めた。
「飛天はプライドが高い、自分の気に入らない乗り手は今まで振り落としていたんだ」
「……なんだって?」
(御するのが難しい馬なんだろうか……しかし)
見れば見るほどよい馬で、アルチョンは飛天を欲しいと思った。
「振り落とされないようにしよう」
(……よく決心したな)
アルチョンは内心で驚いていた。
戦場における馬の重要性は、よくわかっている。見事な馬だったので、つい欲しいと口走ってしまったようなものだ。
(これだけの馬に仕上げるのに、どれほどの時間を費やしたことか……)
ピダムは司量部令としての任務もある身だ。
(よい馬をもらった……)
「ありがとう。ピダム。大事にする」
アルチョンは嬉しそうな顔をピダムに向けた。

「アルチョンなら乗りこなせそうだな」
どこか悔しそうに言うと、ピダムはため息をついた。
「それより私が自宅にいると陛下に聞いたのか?」
アルチョンは飛天の手綱を引きながら、ピダムに尋ねた。
「いや、俺は司量部令だぜ?」
「おい、ピダム。司量部を私事で動かすんじゃない」
アルチョンは歩みを止めるとピダムに注意をした。

「え?いやいや、アルチョンも司量部でマークしているって、ことさ」
「なんだと?ピダム!」
ピダムの憎まれ口にアルチョンは声を荒げた。
「ええ?気がつかなったのか?アルチョン」
アルチョンの睨みを屁とも思わず、ピダムは悪戯っぽく笑った。
「ソラボルの貴族の動きはすべて把握するように、陛下に言われているんだ」
「だからと言って、私事に使ってはならんだろう」
「えー」
まったく石頭なんだから……と、小声で文句を垂れたピダムをアルチョンは睨んだ。
「ピダム」
「ひさしぶりの自宅なんだろ?俺そろそろ……」
アルチョンの小言に、ピダムは逃げ出そうとした。

「まて、ピダム。たまには飲もう」
「え?文句言われながら飲みたくないぜ」
「なんだ?言われ慣れして、耳にタコだったんじゃないのか?」
アルチョンは笑うと頬を膨らませたピダムを自宅へ招きいれた。



おしまい

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拙い文章を読んでいただきまして、ありがとうございました。


ようやく終了した〜。
ソナン将軍は架空の人物です。

待っていてくださった方、長いことお待たせして申し訳ありません。

待っていなかった方、このままお見捨てください。

それじゃーねー。

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